ゲーム概要 『NieR:Automata』は、異星人が送り込んだ機械生命体によって地球を追われた人類と、その地球を奪還するために戦うアンドロイド部隊「ヨルハ」の物語を描くアクションRPG。
プレイヤーは主に2B、9S、A2を操作し、荒廃した地球を探索しながら機械生命体と戦っていく。
一見すると、スタイリッシュなアクションを楽しむゲームに見える。
実際、戦闘は本作の大きな魅力だ。高速な攻撃と回避、複数の武器、ポッドによる射撃を組み合わせながら、敵の攻撃を避けて反撃していく。武器の強化やプラグイン・チップによる能力調整など、RPGとしての成長要素も用意されている。
しかし、本作の本当の面白さは、戦闘を続けていくうちに「そもそも自分たちは何のために戦っているのか」という疑問が生まれてくることにある。
GPAでも実存在的テーマ95%、感情的物語85%、ストーリー充実度85% と、物語やテーマに関わる項目を高く評価している。
ゲーム性分析 スタイリッシュなアクションが入口になる まず『NieR:Automata』を語るなら、アクションの気持ちよさは外せない。
通常攻撃と強攻撃を組み合わせ、回避から反撃につなげ、ポッドで遠距離攻撃を補う。
操作自体は分かりやすいが、敵の攻撃を見て回避する、武器を切り替える、ポッドの射撃を維持するなど、慣れてくるほど自分なりの戦い方ができる。
敵の攻撃が当たる直前に回避すれば無敵時間が発生し、そのまま反撃につなげることもできる。さらに、カメラが横視点やトップダウン視点へシームレスに切り替わる場面もあり、一般的な3Dアクションとは少し違ったテンポでゲームが進んでいく。
この「触っていて気持ちいい」という部分が、重いテーマを扱う物語への入口になっている。
同じ世界を別の視点から見る 『NieR:Automata』の特徴として特に重要なのが、1回クリアして終わりではないこと。
物語を進めると、同じ世界を別のキャラクターの視点から見ることになる。
最初は2Bを中心に、人類のために機械生命体と戦うという構図が提示される。
ところが、9Sの視点が加わることで、それまで見えていなかった情報が少しずつ明らかになっていく。
さらにA2を操作することで、これまでとは異なる立場から世界を見ることになる。
ここで面白いのは、単純に「同じストーリーをもう一度プレイする」わけではないこと。
同じ場所、同じ敵、同じ出来事でも、誰の視点から見るかによって意味が変わっていく。
最初は敵にしか見えなかった機械生命体にも、それぞれの行動や関係性があることが分かってくる。
プレイヤー自身の見方が変化していくことが、このゲームの大きな仕掛けになっている。
「敵を倒す」という行動の意味が変わっていく アクションゲームでは、敵を倒すことは基本的に正しい行動として扱われる。
しかし『NieR:Automata』では、その前提が少しずつ崩れていく。
機械生命体は最初、ただの敵に見える。
ところがゲームを進めると、彼らがただ攻撃してくるだけの存在ではないことが分かってくる。
何かを守ろうとする個体がいる。
仲間を求める個体がいる。
人間のような行動を真似する個体もいる。
それでもプレイヤーは戦わなければならない。
このズレが、本作の面白さだ。
ゲームとしては敵を倒す必要がある。でも、物語を知るほど「本当に敵なのか?」という疑問が生まれる。
戦闘を繰り返すことそのものが、ゲームのテーマにつながっている。
「生きる意味」を誰が決めるのか 本作で繰り返し描かれるのが、「生きる意味」や「自分が存在する理由」というテーマ。
アンドロイドは人類のために戦う。
機械生命体も、何らかの目的を持って行動している。
しかし、その目的が本当に自分自身の望んだものなのかは分からない。
命令されたから戦う。
誰かに必要とされたから戦う。
仲間を守るために戦う。
復讐のために戦う。
そうした行動を続けるうちに、「自分は何のために存在しているのか」という問いに行き着いていく。
GPAの実存在的テーマ95% は、まさにこの部分を評価したもの。
難しい哲学を会話だけで説明するのではなく、キャラクターが実際に戦い、苦しみ、選択する過程を通してテーマを見せている。
チップシステムがプレイヤーの自由度を作る 戦闘だけでなく、育成システムも本作らしい。
「プラグイン・チップ」を装備することで、攻撃力や防御力だけでなく、さまざまな能力を調整できる。
さらに、ゲーム内ではチップの容量そのものを管理する必要がある。
つまり、すべての能力を同時に最大化するのではなく、自分が必要だと思う能力を選んで構成することになる。
この仕組みはシンプルだが、プレイスタイルを調整する楽しさがある。
アクションを重視して攻撃系を強化する。
回復や防御を重視する。
探索や便利系の能力を優先する。
こうした調整によって、自分のプレイに合わせてキャラクターを作っていける。
世界観と音楽が生み出す独特の空気 『NieR:Automata』を印象に残る作品にしているのは、ストーリーやアクションだけではない。
荒廃した都市、砂漠、遊園地、工場など、舞台となる場所にはそれぞれ異なる雰囲気がある。
文明が崩壊した世界なのに、どこか美しく見える。
その「美しさ」と「寂しさ」が同居しているのが本作の特徴だ。
そこに音楽が重なる。
探索中に流れる曲、戦闘曲、ボーカル曲などが場面ごとに雰囲気を変え、同じ場所でもプレイヤーの感じ方を変えていく。
GPAの退廃的世界観70%、グラフィック70%、感情的物語85% という評価も、この世界の作り込みを考えると分かりやすい。
GPAスコアから見るNieR:Automata 現在のGPA評価は以下の通り。
タイトル傾向チャート(NieR:Automata) ※ GPAサブタグスコアに基づく。アクションと物語・テーマの両方が高いプロファイル。
この数字を見ると、単純なアクションRPGとして評価しているわけではないことが分かる。
アクション性80%は、戦闘そのものがしっかり楽しめることを示している。
一方で、それ以上に高いのが実存在的テーマ95%、感情的物語85%、ストーリー充実度85%。
つまり、気持ちよく戦えることが入口で、そこから物語や世界の意味を考えさせられるゲームというのがGPAから見た本作の特徴だ。
また、初心者60%、中級者60%、上級者50%と幅広い層を対象としている。
著者の感想 『NieR:Automata』は、最初からすべての意味を理解する必要がないゲームだと思う。
最初は2Bを操作して、機械生命体を倒して、クエストをこなして、次の目的地へ向かう。
それだけでもアクションゲームとして十分楽しめる。
でも、ゲームを進めるほど、それまで当然だと思っていたことが少しずつ揺らいでくる。
「なぜ戦っているのか」
「機械生命体は本当に敵なのか」
「自分が操作しているキャラクターは、何のために存在しているのか」
こうした疑問が、ストーリーだけではなく、実際にプレイヤーが繰り返してきた行動と結びついてくる。
だからこそ、クリアした後にゲーム全体を振り返ったときの印象が大きく変わる。
まとめ 『NieR:Automata』は、スタイリッシュなアクションRPGとして始まりながら、プレイを進めるほど「生きること」や「存在すること」について考えさせられる作品だ。
複数のキャラクターを通して同じ世界を別の角度から見せることで、それまで信じていた前提を少しずつ崩していく。
そして、敵を倒すという単純なゲームプレイさえ、物語を知ることで違った意味を持つようになる。
実存在的テーマ95%、感情的物語85%、ストーリー充実度85%、アクション性80%、マルチエンド80%。
GPAの評価から見ても、本作の魅力はアクションだけではない。
気持ちよく戦えるゲームでありながら、プレイした後に「自分は何をしていたのか」を考えさせられる。
そこに『NieR:Automata』ならではの面白さがある。
同系統のAI・機械知性テーマは AI・機械知性ゲーム20選 、感情的物語の次の一本は 泣けるストーリーゲーム15選 も参照。