ゲーム概要
『FINAL FANTASY XVI』は、シリーズ初の本格アクションRPGとして作られた『FINAL FANTASY』。
舞台となるのは、マザークリスタルから供給されるエーテルによって人々の生活が成り立っている世界「ヴァリスゼア」。各国はマザークリスタルを巡って争い、召喚獣の力を宿す「ドミナント」も戦争に利用されている。
主人公はロザリア公国の第一王子、クライヴ・ロズフィールド。
過酷な出来事によって復讐を誓ったクライヴは、旅の中で世界の真相と自らの運命に向き合い、やがてマザークリスタルを破壊するという目的へ進んでいく。
ゲームシステムもシリーズの大きな転換点。
従来のコマンドバトルではなく、クライヴを直接操作するリアルタイムアクションを採用している。召喚獣の力を切り替えながら、攻撃、回避、コンボ、アビリティを組み合わせて戦う。
ゲーム性分析
「召喚獣の力」がそのまま戦闘システムになる
本作のアクションで重要なのが、クライヴが複数の召喚獣の力を使い分けられること。
召喚獣ごとに異なるアビリティが用意されており、どの能力を習得し、どのように強化するかはプレイヤーが決められる。さらに戦闘中でも召喚獣の力を切り替えられる。
つまり「召喚獣」はストーリー上の存在であるだけではない。
クライヴがどの力を使うかという選択が、そのままプレイヤーの操作になる。
シリーズの象徴だった召喚獣を、今回は巨大なイベントシーンだけではなく、通常の戦闘そのものに組み込んでいるのが面白いところだ。
アクションRPGになっても「育成」の余地は残っている
『FINAL FANTASY XVI』はアクションに大きく舵を切っているが、RPGとしての成長要素も残されている。
剣技や召喚獣アビリティを習得・強化し、自分のプレイスタイルに合わせて組み合わせていく。
しかも一度取得したアビリティに縛られるわけではなく、アビリティポイントを戻して振り直すこともできる。
この仕様によって、「育成を失敗したら取り返せない」という不安を減らしながら、アクションの組み立てを試せる。
アクションゲームとしての操作感と、RPGとしてのキャラクター成長を両立させようとしている設計だ。
召喚獣バトルは「操作する巨大兵器」に近い
『FINAL FANTASY XVI』の大きな見せ場が、ドミナント同士による召喚獣同士の戦い。
通常のクライヴによる戦闘とはスケールがまったく異なり、召喚獣そのものを操作して戦う場面も用意されている。
ここでは「召喚獣を呼び出して必殺技を使う」という従来型の召喚とは違う体験になっている。
召喚獣そのものがプレイヤーの操作対象になることで、物語の中で描かれるドミナントの力を、自分自身で体験できる。
巨大な存在同士がぶつかる派手さだけでなく、世界観とゲームプレイをつなぐ役割も持っている。
復讐の物語がアクションの動機になる
クライヴの物語は、復讐から始まる。
そのため序盤のクライヴにとって、敵を倒すことは単純なゲーム上の目的ではない。
誰を追い、なぜ戦うのかという目的が、戦闘そのものにつながっている。
もちろん、プレイヤーが実際に行うのは攻撃や回避、アビリティの使用といったアクションだ。
しかし、その一つひとつの戦闘の先にクライヴ自身の目的がある。
物語上の「復讐」と、プレイヤーが繰り返す「戦う」という行為が近い位置に置かれているのが、本作の特徴だと思う。
世界を理解するための情報がゲーム内に用意されている
『FINAL FANTASY XVI』は国家、宗教、クリスタル、召喚獣、ドミナントなど、設定の多い世界を舞台にしている。
そこで役立つのが「アクティブタイムロア」。
ゲーム中に登場する人物や場所、用語について確認できるため、物語を進めながら世界の情報を整理できる。
複雑な設定を一度に説明するのではなく、プレイヤーが必要なタイミングで確認できる仕組みになっている。
ストーリー充実度90%というGPA評価を考えるうえでも、このような世界設定へのアクセスのしやすさは重要だ。
美しい世界だけではなく、暗い世界を描くグラフィック
GPAではグラフィック90%、退廃的世界観75%、ダーク70%と、ビジュアル面と世界観の両方が高く評価されている。
ヴァリスゼアは美しいファンタジー世界である一方、国家間の争い、差別、戦争、クリスタルへの依存など、重い問題を抱えている。
そのため、ただ美しい風景を見せるだけではない。
巨大な建造物や自然の風景と、戦争によって傷ついた人々の生活が同じ世界に存在する。
開発側も、暗い世界を描きながら、その中に「より良くなる可能性への希望」を残すことを意識していたと語っている。
GPAスコアから見るFINAL FANTASY XVI
GPAでは、ストーリー充実度90%、グラフィック90%、感情的物語85%、アクション80%、退廃的世界観75%、ダーク70%、マルチエンド40%という評価になっている。
タイトル傾向チャート(FINAL FANTASY XVI)※ GPAのサブタグスコアに基づく。物語を中心に据えたアクションRPGとしてのバランス。
特に目立つのが、ストーリー・グラフィック・感情的物語・アクションの4項目がすべて80%以上であること。
これは本作が「アクションゲームになったFF」というだけではなく、物語を中心に据えながら、そこへアクションを組み込んだ作品であることを示している。
一方でマルチエンドは40%。
プレイヤーの選択によって物語が大きく分岐するタイプではなく、クライヴの物語を一本の流れとして追っていく作品だ。
その意味では、自由に物語を変えるRPGというより、一本の物語をアクションとして体験するRPGに近い。
著者の感想
『FINAL FANTASY XVI』で面白いのは、シリーズの象徴だった「召喚獣」を、物語だけではなくゲームプレイの中心にも持ってきたこと。
クライヴが召喚獣の力を得るたびに、プレイヤーが使えるアビリティも増えていく。
つまり、クライヴの旅で得たものが、そのままプレイヤーの戦い方の変化になる。
そして、物語が進むほどクライヴが背負うものも大きくなる。
最初は復讐だった目的が、やがて自分自身の運命や、ヴァリスゼアという世界そのものと向き合うものへ変わっていく。
その変化を、イベントシーンを見るだけではなく、自分でクライヴを操作しながら体験できる。
そこに『FINAL FANTASY XVI』の魅力があると思う。
まとめ
『FINAL FANTASY XVI』は、シリーズ初の本格アクションRPGとして、大きくゲームシステムを変えた作品。
リアルタイムで戦い、召喚獣の力を切り替え、アビリティを組み合わせる。
一方で、その中心にはクライヴの復讐と運命を描くストーリーがある。
召喚獣は世界観の象徴であると同時に、プレイヤーが実際に操作する力でもある。
だからこそ、本作では「クライヴが強くなること」と「プレイヤーができることが増えること」が同時に進んでいく。
GPAのストーリー充実度90%、感情的物語85%、アクション80%という評価も、このバランスをよく表している。
『FINAL FANTASY XVI』は、FFの物語を「見る」だけではなく、クライヴを自分で動かしながら、その運命を追体験するアクションRPGだ。
同系統のアクション作品は ハックアンドスラッシュ25選、濃く一人で遊べる作品は ソロゲーム20選も参照。