まず結論——現在遊べるのはWindows PC版
『Anemoiapolis: Chapter 1(アネモイアポリス)』は、無人の商業施設や屋内プールを探索し、出口を探す一人称視点のリミナルスペースゲームだ。2026年10月の記事更新時点では、Steamとitch.ioでWindows版が販売されている。
PS5、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2、iOS、Androidについては、公式ストアへの掲載や発売発表を確認できない。今後の対応を否定するものではないが、現時点ではPC向けの作品として案内するのが正確だ。
ゲーム概要
『Anemoiapolis: Chapter 1(アネモイアポリス)』は、Andrew Quistが手がけるリミナルスペース系の探索ゲーム。
商業施設、屋内プール、映画館、ホテルのような廊下、コンベンション施設など、現実に存在していても決して「目的地」にはならないような場所を舞台に、出口を探して広大な空間を進んでいく。
Steamでは『Anemoiapolis: Chapter 1』として2023年3月3日にリリースされた。開発者自身も、故郷であるミシガンの風景や、2020年頃から広まった「liminal spaces」「Backrooms」の概念から影響を受けた作品だと説明している。ただし、Backroomsそのものを題材にしたゲームではない。(Steamストア)
本作の特徴は、いわゆる「廃墟」を探索するゲームとは少し違うこと。そこにあるのは、完全に崩壊した建物ではない。むしろ、本来なら人がいるはずなのに、なぜか誰もいない場所。営業していそうな商業施設。水の張られたプール。照明のついた廊下。整然と並んだ椅子やロッカー。見覚えがあるようで、どこにも存在しない。
見覚えのある施設なのに場所を特定できない違和感が、本作の怖さにつながっている。
ゲーム性分析
「何も起きないこと」がゲームになる
『Anemoiapolis』の基本的な遊び方は非常にシンプル。歩く。周囲を調べる。道を探す。必要に応じて簡単なパズルを解く。そして、さらに奥へ進む。
Steamの説明でも、走る、泳ぐ、ジャンプする、スライドする、登るといった移動アクションに加え、障害物を動かしたり、窓を割ったり、電気パネルを操作したりしながら先へ進むゲームとして紹介されている。(Steamストア)
ただし、本作で重要なのは「何をするか」だけではない。何も起きない空間を歩き続けることそのものが体験になっている。普通のゲームなら、ショッピングモールには買い物客がいて、プールには人がいて、映画館には観客がいる。しかし、本作ではそれらがすべて消えている。
その結果、普段は背景として処理している空間そのものが、プレイヤーの注意を引くようになる。「この廊下はどこまで続くのか」「なぜここには誰もいないのか」「この場所は一体何のために存在しているのか」——そんな疑問を抱えながら歩くことになる。
リミナルスペースを「見る」のではなく「歩く」
リミナルスペースという言葉は、写真や映像でもよく使われる。誰もいない学校、深夜のショッピングモール、照明だけが点いたホテルの廊下。『Anemoiapolis』では、それらに似た空間の中を自分で歩き、角の先や閉じた扉の向こうを確かめていく。
プレイヤーは遠くから眺めるのではなく、自分の足で廊下を進み、角を曲がり、階段を上り、別の部屋へ入っていく。Final Weaponも、本作について「オフィス」「ショッピングモール」「映画館」のような、現実には見慣れている場所から人間の存在だけを取り除くことで、日常空間が異質なものに変わる点を評価している。(ファイナルウェポン)
人物や会話ではなく、無人施設の構造と雰囲気が探索を引っ張っていく。
「迷う」ことが正しい
通常のゲームでは、迷子になることはストレスになりやすい。しかし『Anemoiapolis』では、迷うこと自体がゲームデザインの一部。Steamの公式説明でも「プレイヤーを迷わせ、混乱させるために設計された」プロシージャルな迷宮として紹介されている。扉の位置や空間の構造が常に一定とは限らず、同じ場所を歩いているような感覚が強調される。(Steamストア)
だからこそ、「さっきここを通った気がする」という感覚が重要になる。道を覚えて攻略するというより、自分が今どこにいるのか分からなくなる感覚そのものを楽しむゲームだ。
GPAスコアから見る『Anemoiapolis』
作品傾向グラフ(Anemoiapolis)※ GPAの小タグスコアに基づく。空間・雰囲気・静寂が体験の主役。
退廃的世界観:85%
GPAで最も高いのが退廃的世界観85%。ここでいう「退廃」は、単純に廃墟になっているという意味ではない。『Anemoiapolis』の場合は、人間の生活から切り離された人工空間の寂しさが大きい。施設そのものは比較的きれいなのに、人間だけがいない。そのため、「壊れている場所」よりも「使われているはずなのに使われていない場所」という印象が強くなる。この違和感が、作品全体の空気を作っている。
グラフィック:80%
グラフィック80%は、単に映像が綺麗だから高いわけではない。本作では、リアルな質感がリミナルスペースの説得力に直結している。床材、壁、照明、プール、水面、ホテルのような内装など、現実にありそうなディテールが揃っているからこそ、そこから人間だけを取り除いたときの違和感が強くなる。レビューでも、90年代を思わせる空間や、ホテルの廊下、リゾート施設、映画館などの描写が本作の大きな魅力として挙げられている。(Goomba Stomp Magazine)
つまりグラフィックの役割は「美しい世界を見せること」ではない。現実にありそうな場所を、現実にはあり得ないほど不自然にすること。そこに本作の映像表現の面白さがある。
実存的テーマ:75%
実存的テーマ75%は、哲学的な台詞や長い物語を評価した数値ではない。誰もいない施設で現在地も出口も分からないまま、歩き続ける体験を評価している。普段なら通過するだけの廊下やロビーに長く留まらせることで、自分だけが取り残されたような不安が生まれる。
ホラー:65%
ホラーは65%。これはジャンプスケア中心のホラーゲームとはかなり違う。『Anemoiapolis』の恐怖は、怪物が頻繁に襲ってくることではなく、空間そのものが不自然であることから生まれる。実際、レビューでも本作は「liminal spacesを歩き、その奇妙さに浸ること」が中心のウォーキングシミュレーターとして評価されている一方、物語やゲームプレイを重視するプレイヤーには物足りないという指摘もある。(ファイナルウェポン)
そのため、「怖いゲーム」というより、不安になる空間を歩くゲームと考えたほうが本作の特徴を理解しやすい。
Anemoiapolisに似たゲームを目的別に比較
ページ上部の類似ゲームランキングは登録データに応じて変化する。ここでは順位や類似度を固定せず、Anemoiapolisのどの部分が好きだったかで3作品を比較する。
無人プールと静けさを重視POOLS(プールズ)
人のいない屋内プールを、足音と水音を聞きながら歩く作品。Anemoiapolisより舞台を絞り、説明や物語をさらに減らして、空間そのものへ集中している。
現在のGPA作品傾向(主要項目)広いリミナル空間を重視Dreamcore(ドリームコア)
広大な異空間を歩き、懐かしさと不安が混ざる風景を楽しむ探索ゲーム。商業施設に限らず、夢の中のように場面が移り変わる空間を求める人に向く。
現在のGPA作品傾向(主要項目)Backrooms風の映像を重視The Complex: Found Footage
ファウンドフッテージ風の映像でBackroomsを歩くホラー。Anemoiapolisより映像のノイズと恐怖を強くし、見つけた映像を追体験するような見せ方に重点を置いている。
現在のGPA作品傾向(主要項目) こんな人におすすめ
- リミナルスペースが好き
- Backrooms系の雰囲気が好き
- 廃墟や無人の商業施設を見るのが好き
- 散策そのものを楽しめる
- ジャンプスケアより不気味な雰囲気を重視する
- 「誰もいない場所」に独特の魅力を感じる
- ストーリーより世界観・空間体験を重視する
- ゲームの中で迷子になることを楽しめる
逆に、明確な目的、濃密なストーリー、戦闘、キャラクターとの交流などを求めるプレイヤーには、ゲームプレイがシンプルに感じられる可能性が高い。同系統のPOOLSや8番出口とは異なり、本作は商業施設からプール、映画館まで幅広いリミナル空間を一作で巡る点が特徴だ。
まとめ
『Anemoiapolis: Chapter 1』は、通常なら背景として通り過ぎる商業施設、プール、映画館、ホテルの廊下を探索の中心に置いている。人の姿だけが消えた施設を自分で歩くことで、写真を見るだけでは分からない広さや出口の見えなさを体験できる。
GPAでは退廃的世界観85%、グラフィック80%、実存的テーマ75%。ストーリーやアクションよりも、無人の人工空間を歩く不安と孤独を重視した評価だ。
敵やジャンプスケアよりも、無人の空間を歩き続ける不安を重視した作品だ。派手な展開より、知らないはずの場所を懐かしく感じるリミナルスペース特有の感覚を楽しみたい人に向いている。
よくある質問
- Q: Anemoiapolisはどんなゲームですか?
- A: 無人のショッピングモール、屋内プール、ホテルの廊下などを歩き、出口を探す一人称視点のリミナルスペース探索ゲームです。戦闘よりも、空間を観察し、迷いながら進む体験を重視しています。
- Q: AnemoiapolisはPS5で遊べますか?
- A: 2026年10月の記事更新時点では、PS5版の公式ストア掲載や発売発表を確認できません。販売中の正式版はWindows向けのSteam版とitch.io版です。
- Q: AnemoiapolisはNintendo Switchで遊べますか?
- A: 2026年10月の記事更新時点では、Nintendo Switch版およびNintendo Switch 2版の公式ストア掲載や発売発表を確認できません。
- Q: Anemoiapolisはスマホで遊べますか?
- A: 2026年10月の記事更新時点では、iOS版・Android版は公式に配信されていません。Windows PCでプレイできます。
- Q: Anemoiapolisという名前の意味は何ですか?
- A: 一般には、経験したことのない過去への郷愁を表す「anemoia」と、都市を意味する「polis」を組み合わせた名称と解釈されています。公式ストアでは、この語源を明示した説明は確認できません。
同系統の空間ホラーは リミナルスペースホラー30選、ホラー全体の文脈なら ホラーゲーム50選も参照。