ゲーム概要
『Sifu(シフー)』は、中国武術をベースにした3D格闘アクションゲーム。
主人公は、家族を殺した5人の敵を追う若きカンフーの弟子。現代の都市を舞台に、敵の拠点へ乗り込みながら復讐を果たしていく。
最大の特徴は「死」と「加齢」のシステム。
主人公は死亡しても、古代のペンダントの力によって蘇ることができる。ただし、蘇るたびに年齢が上がっていく。
さらに、短時間に何度も死亡すると加齢のペースも速くなる。年齢が上がると最大体力が減る一方で、攻撃力は高くなる。そして一定以上の年齢になると蘇生できなくなり、ゲームオーバーになる。
つまり、死亡は単なる失敗ではない。
「次はもっと上手く戦えるか」というプレイヤー自身の成長が、そのままゲームの進行に組み込まれている。
ゲーム性分析
戦闘の基本は「攻撃する」より「相手を見る」
『Sifu』の戦闘は、敵をひたすら攻撃して倒すタイプではない。
攻撃を避ける。
ガードする。
相手の体勢を崩す。
隙を見て反撃する。
複数の敵を相手にするときは、位置取りも重要になる。
敵の攻撃を見てから適切な行動を選ぶ必要があるため、プレイを続けるほど「敵の動きを覚える」ことが重要になっていく。
GPAでもアクション90%、高難度90%と、戦闘と習熟が作品の中心にあることがはっきり表れている。
環境そのものを武器にする
『Sifu』では、武器を拾って使うだけでなく、ステージにある環境も戦闘に利用できる。
投げられる物を拾う。
机や障害物を利用する。
窓や段差を使って敵との距離を変える。
敵に囲まれたとき、正面から全員を相手にする必要はない。
投擲物や即席武器、窓、段差などを利用した位置取りが生存の重要な要素として紹介されている。
そのため、上手くなるということは単純にコンボを覚えることだけではない。
「この場所ならどう戦うか」を考えられるようになることでもある。
死ぬほど強くなる……ただし、若さは失われる
Sifuの面白さを最もよく表しているのが、加齢システム。
主人公は20歳からスタートし、死亡するたびに年齢を重ねる。
しかも死亡回数が続くほど、次の蘇生でより多くの年齢を失うことになる。
一方で、年齢を重ねること自体が完全なデメリットではない。
高齢になるほど最大体力は減少するが、攻撃力は上昇する。
つまり、「若いから強い」「年を取ったから弱い」という単純な仕組みではない。
それでも、一定の年齢を超えると蘇生できなくなる。
だからプレイヤーは、死ぬたびに「もう一度挑戦できる」という安心感と、「このままでは最後までたどり着けない」という焦りを同時に感じる。
キャラクターより先に、プレイヤーが成長する
Sifuの攻略で重要なのは、レベル上げだけではない。
最初は倒せなかった敵の攻撃を覚える。
ボスの動きを理解する。
敵が出てくる場所を覚える。
安全に戦える位置を見つける。
そして、以前より若い年齢でステージを突破できるようになる。
これは一般的なRPGの「経験値を稼いでキャラクターを強化する」成長とは違う。
プレイヤー自身がゲームを理解することが、最大の成長になる。
失敗し、再挑戦し、練習によって上達していくことを重要な体験として設計されている。
「復讐」の物語がリプレイの理由になる
主人公の目的は明確だ。
家族を殺した5人を探し出し、復讐する。
しかし、プレイヤーが一度で最後まで到達できるようなゲームではない。
何度も同じステージをやり直し、少しずつ先へ進む。
最初は序盤で苦戦していたプレイヤーが、何度も挑戦するうちに短時間で敵を倒せるようになる。
そして、以前はたどり着けなかった場所へ進めるようになる。
この繰り返しが、主人公の「修行」とプレイヤーの「練習」を重ねて見せている。
カンフーを極めるには一度の人生では足りない、という作品の考え方が、そのままゲームシステムになっている。
映画のようなカンフーアクション
Sifuの魅力は難易度だけではない。
敵を次々と倒しながら部屋を駆け抜ける場面や、複数の敵を相手に華麗に攻撃をつなげる場面には、カンフー映画のような気持ちよさがある。
武術としてのリアリティと、映画的なアクションの気持ちよさを両立することを戦闘デザインの目標としている。
GPAのグラフィック80%という評価も、単純な映像の美しさだけではなく、キャラクターの動きやカメラワークを含めたアクション表現との相性がいい。
GPAスコアから見る『Sifu』
Sifuを最も分かりやすく表しているのが、アクション90%、高難度90%、グラフィック80%という3つの高いスコア。
タイトル傾向チャート(Sifu)※ GPAのサブタグスコアに基づく。加齢と再挑戦を軸にした高難度カンフーアクション。
対象ユーザー(50以上なら推奨)特に高難度90%は、このゲームの重要な部分だ。
ただし、「難しいから難しい」というタイプではない。
敵の動きを覚え、自分のミスを減らし、少しずつ若い年齢でステージを攻略できるようになる。
その過程そのものがゲームになっている。
一方で、実存在的テーマ55%、感情的物語50%、ストーリー充実度50%という評価からも分かるように、物語を大量に見せる作品ではない。
物語よりも、戦闘を繰り返して自分自身が上達していく体験が中心。
対象ユーザーも初心者20、中級者50、上級者90となっており、アクションゲームに慣れているプレイヤーほど魅力を感じやすい作品だ。
著者の感想
Sifuをプレイしていて面白いのは、「キャラクターが強くなった」というより「自分が上手くなった」と感じる瞬間が多いこと。
最初は何度も負ける。
敵の攻撃が避けられない。
囲まれると何もできない。
でも何度かプレイしているうちに、敵の動きが分かってくる。
気づけば序盤の敵をほとんどダメージを受けずに倒せるようになっている。
そして、以前は30歳や40歳で到達していた場所に、もっと若い状態でたどり着ける。
この変化がそのまま「修行の成果」として感じられる。
死ぬことを繰り返すゲームなのに、プレイヤー自身は少しずつ死ななくなっていく。
そこにSifuの面白さがあると思う。
まとめ
『Sifu』は、中国武術をベースにした高難度の3D格闘アクション。
最大の特徴は、死ぬたびに年齢を重ねるシステムと、プレイヤー自身の習熟を成長として扱うゲームデザインにある。
敵の攻撃を覚え、ステージを覚え、環境を利用し、少しずつ若い状態で先へ進む。
その過程は、主人公がカンフーを修行していく姿とも重なっている。
GPAのアクション90%、高難度90%、グラフィック80%という評価を見ると、Sifuの中心が物語よりも戦闘と習熟にあることがよく分かる。
何度も挑戦して、自分の腕で突破できるようになるゲームが好きなら、かなり相性のいい一本だ。
同系統のパリィ・読み合い作品は パリィゲーム15選、近い高難度アクションは ハックアンドスラッシュ25選も参照。